happiness

 

「「「「「ごちそうさまー!」」」」」
今、白虎族の夕食が終わった。
ライ、ガオウ、キキは各々好きな所へ行ってしまう。
「もう・・・皆いっつも上げ膳据え膳なんだから〜!」
文句を言いながらマオは食器を片付けていた。
「まぁそう怒るな;」
レイだけは残ってマオを手伝っていた。
「うん・・・別にいいんだけどさ。」
マオはレイの方をちらりと見ながら言った。
『こうやってレイ兄と2人っきりになれるからね・・・。』
これは心の声であった。

「レイ兄、これ見て。」
「ん?」
マオは片付けようとしていた蒸篭の中からあるものを取り出し、レイの眼前に差し出した。
「これは・・・。」
マオの手のひらに乗っていたのは1つの桃まんじゅう。
デザートとして夕飯の後に食べたものだった。
「間違えて1個多く作っちゃって;だからレイ兄にあげる。」
マオはにっこりと桃まんじゅうを差し出した。
勿論大食漢のレイがそれを断るはずがなく・・・。
「そうか。じゃあありがたく頂くよ。」
レイはマオから桃まんじゅうを受け取り、それをほおばった。
「おいしい?」
「ああ。」
嬉しそうにまんじゅうを食べるレイを見て、マオも嬉しくなる。
『間違えて』なんていうのは嘘。
本当は大好きな貴方の幸せそうな顔が見たかったから・・・。
ついつい1個多く作っちゃったの・・・。

マオが片付けを続けようとすると、レイに名前を呼ばれた。
「マオ。」
「何?」
レイは半分程に減っている桃まんじゅうを更に半分に割った。
ちょうど一口分といった大きさである。
そしてそれをマオの口元に差し出した。
「お前も食べろ。」
「いいの?」
「オレが食べろと言ってるんだ。いいに決まっているだろう?」
「うん!それじゃあ頂くよ。」
「ああ・・・。」
レイはマオに桃まんじゅうのかけらを食べさせた。
「うまいか?」
「おいしい!」
「そうか。」
せっかくオレにくれたのだから本当は1人で全部食べようと思っていたが。
甘いものを食べる時のお前の幸せそうな顔を知っているから・・・。
ついつい1口でも食べさせたくなってしまう・・・。

貴方の幸せな顔が見たいから・・・。
お前の幸せな顔が見たいから・・・。

 


いつも人様の作品に萌えさせて頂いていたのですが、今回勇気を出して投稿しました。
それなのに絵付き小説とかありえない事をやっていてすみません。






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